サンルームのメリット・デメリットは?オシャレな建築実例を紹介
サンルームのある家を建てたいと思うことはありませんか。 穏やかな日差しが差し込むサンルームで寝転んで過ごす、雨の日でも洗濯物を干すといった使い方ができたらステキですね。
今回は、サンルームのメリット・デメリットと、建築家がデザインしたオシャレな住宅事例を紹介していきます。
1. オシャレなサンルームを作りたい!サンルームとは
サンルームとは、日光を効率よく取り入れるために、壁や屋根をガラス張りにした部屋のことをいいます。
一口にサンルームといっても、その形状はさまざまです。既製品のエクステリア商品から、基礎を作ってガラスの壁を建てたもの、バルコニーに囲いをつけたものまで多岐に渡ります。
賃貸物件で表記されるサンルームは、主に洗濯物を干す目的で、リビングやダイニングの隣に大きな窓を取り付けた 2 畳程度の部屋を指します。
また、サンルームの中でも独立したガラス張りの多目的室を、コンサバトリーといいます。ガーデニング愛好家の間では、憧れの的として人気のある空間です。
目的に応じてさまざまな形状で建てられるのもサンルームの特徴といえるでしょう。
2. サンルームのメリット
ガラス張りであるサンルームは、光を多く取り入れられるため、さまざまな魅力があります。まずは、サンルームのメリットをご紹介しましょう。
2-1. 明るく開放的な空間が持てる
なんといっても、開放感がサンルームの魅力です。ガラス張りの部屋は、家の中でも屋外にいるような非日常的な感覚を味わえます。
ペットと一緒に、床に寝そべって日向ぼっこをするのも良いですね。夜には、パジャマ姿のまま星を眺めるのも良いでしょう。
室内よりも開放的で、屋外よりも安心感のあるスペースを楽しめます。
2-2. 洗濯物を干せる
太陽光をたっぷりと取り込むサンルームは、洗濯物を干すのには最適な場所です。PM2.5・花粉・黄砂などの影響で、外に洗濯物を干したくないと思う方も多いことでしょう。
また、共働き世帯で、洗濯物を干したまま出掛けるご家庭も増えています。強風や急な天候不良でも慌てずに済み、洗濯物がぬれないという点は大きなメリットといえますね。
2-3. 室内の延長として使える
サンルームは、リビングやダイニングなど家族の共有スペースと、屋外の中間に作ることが多いため、室内を庭に延長したような使い方ができます。
子供の遊び場として使う、庭を眺めながら朝食を楽しむ、友人とお茶をするといったように、リビングの延長として多目的に活用できます。
3. サンルームのデメリット
しかし「サンルームを作るのはなんだか心配」と思うこともあるでしょう。大きな買い物であるサンルームは、建てる前に注意点をしっかり理解しておきたいものです。 ここからはサンルームのデメリットを説明します。
3-1. 固定資産税の課税対象になる
まず、サンルームは固定資産税の課税対象になります。
固定資産税の条件になるのは「屋根があり三方が壁や建具に囲まれて・天井までの高さが 1.5m 以上ある」という部屋です。
サンルームは、三方以上をガラスで囲い、天井の高さも 2m 以上あることが多いため、床面積に含まれます。
そのため増築するときには、建ぺい率を超えないように建築面積を計算しなければなりません。また、10 平米以上のサンルームを増築するときには確認書類が必要です。
お住まいの用途地域にもよるため、詳しくは専門家に相談しましょう。
3-2. 防犯対策と目隠しが必要になる
ガラス張りであるという特徴から、サンルームの防犯が心配になる方もいるでしょう。サンルームの防犯には、防犯ガラスを使用する、二十錠をつけるといった対策方法があります。
しかし、空き巣は死角があることを好むため、かえってサンルームのような見通しの良い部屋は狙われにくいともいわれます。隠しすぎないことも一つの策です。
また、見通しの良いサンルームであることからプライバシー対策が気になるかもしれません。目隠しとなるロールスクリーンやカーテンを取り付けましょう。
3-3. メンテナンスの必要がある
サンルームは定期的な掃除やメンテナンスが欠かせません。
一年中、屋外にさらされるサンルームのガラスは、汚れが目立ちやすいもの。ホコリ・塵・車の排ガス・鳥のフンなど、ついた汚れをそのままにしておくと美観を損ねてしまいます。
定期的に掃除をしなければなりません。特に屋根部分の清掃は大変です。
また、既製品のサンルームはネジやボルトで留めつけられている製品が多くみられます。雨漏りの被害を起こさないためにも、定期的なメンテナンスは重要です。
3-4. 暑さ・寒さ対策が必要になる
サンルーム内は、夏は非常に暑く冬は寒くなります。 夏の直射日光が当たるサンルーム内の室温は、夏の暑さ対策をしなければ快適には過ごせません。
施工時に熱線吸収タイプのガラスやポリカーボネードを使用すれば、室内温度は下げられるかもしれません。しかし、断熱材は施工できないため、冬場の寒さは逃れられないことを知っておきましょう。
4. オシャレなサンルーム空間を実現するための、建築家のアイディア + 事例
ここまでサンルームのメリット・デメリットをみてきましたが、既製品をつけなくても設計次第でサンルームのような空間が作れます。
景色を眺めながら食事をする、日差しを取り入れた洗濯物を干すといった空間は、建築デザインで叶えられるものです。
ここからは、建築家が手掛けたオシャレな建築事例を紹介していきましょう。
4-1. 事例 1. ガラス張りの部屋を増築
木造 2 階建て住宅のリビングの横に、ガラス張りの部屋を増築した事例です。アンティーク調のガラス枠が、どこか懐かしさのある雰囲気を演出しています。
中央に設置した大きな木製テーブルと長いベンチでは、大家族が一緒に食事を楽しめるでしょう。
右手奥のガラス扉からは、テラスへつながり屋外に出られる階段が取り付けられています。屋外と室内のあいだに位置する、心地の良い空間が出来上がりました。
4-2. 事例 2. ウッドデッキから眺める景色
ウッドデッキに屋根をつけるだけでも、心地よいスペースが作れます。広いウッドデッキに透過性のある素材で屋根をつけた事例です。
手すりにもガラスを選び、向こう側の景色が眺められるように工夫しています。ガーデンファニチャーに選んだガラスのテーブルにも、美しい緑が映っています。
開放的なプライベート空間で、春には桜を、秋は紅葉を楽しみながらお茶が楽しめたらステキですね。
4-3. 事例 3. 庭を眺む高天井のダイニング
景色の良い場所に家を建てるなら、せっかくの景色を存分に楽しめる家を建ててみてはいかがでしょうか。芝生の庭に面して、全面ガラス張りにした住宅をご紹介します。
暑さ対策のためのロールスクリーンも設置し、快適に過ごせる工夫をしています。
土地にぴったりあった個性的なマイホームを建てられるのも、建築家に家づくりを依頼するメリットです。心地よい高天井のダイニングで仕事をしたら、良いアイディアが浮かびそうですね。
4-4. 事例 4. 光が差し込む畳スペース
リビングの角に畳コーナーを作り、大きなガラス窓をつけた事例です。あたたかな日差しを取り入れた落ち着きのある空間ですね。
小さなお子さんのいるご家庭では、畳の部屋があると使い勝手が良いかもしれません。洗濯物を畳むのにもちょうどいいスペースです。
心地よい日差しが差し込む畳の上に、ゴロンと寝転がって休日を過ごしたくなりますね。
4-5. 事例 5. 中庭のある家
開放感のあるガラス張りの住宅に憧れるけど、都市部ではプライバシーが心配という方もいるかもしれません。そんなときには、中庭を作ってみてはいかがでしょうか。
光が差し込む中庭をぐるっと囲むように、居住スペースを配置した住宅をご紹介しましょう。
どの部屋もガラス張りの中庭に面しているため、空を見上げながら暮らせます。都市部にいながらも開放感のある明るい住まいが実現していますね。
4-6. 事例 6. 大きなガラス窓のある家
もう一つ、都市部に建つ狭小住宅の事例をご紹介しましょう。
リビングに、大きなはめ殺しのガラス窓を取り付けました。床・壁・天井すべてに膨張色の白を選ぶことで、取り込んだ光がリビングの奥まで広がります。
照明にはダウンライト、造り付けのカウンターも装飾のないシンプルなものを選び、スッキリとした印象を作り上げています。
スタイリッシュで都会的な印象を持ちつつも、狭小住宅とは思えない開放的なリビングが出来上がりました。
4-7. 事例 7. 天窓のあるランドリールーム
洗濯物を干すには、明るいランドリールームを作ってみてはいかがでしょう。洗濯室の建築実例をご紹介します。
屋根に取り付けた天窓からは、光がたっぷりと差し込み、洗濯物がよく乾きそうです。造り付けの木目カウンター、床には暖色系のタイルを施工し、内装にあたたかみをプラスしていますね。
洗濯室にカウンターがあると、取り込んだ洗濯物を畳んだり、アイロンをかけたりと便利に使えるはずです。
4-8. 事例 8. 緑の中の別荘
心地よい森林がみえる方向に、大きなガラス窓を取り付けた別荘の事例をご紹介しましょう。
ダイナミックな勾配の高天井にあわせて、窓ガラスも広く取り、爽やかな景色が広がっています。木目調のカーテンレールを梁に取り付けることで、日よけのレースカーテンもスッキリとした印象にみえますね。
ガラス張りの大空間の中で、小さなテーブルと椅子を置けば、まるで森林の中にいるような心地になることでしょう。
4-9. 事例 9. 海を眺める家
最後に、海が眺められる方向に大きなガラス窓を設けた住宅をご紹介しましょう。まるで中空に浮いたようにみえる 2 階は、外壁と同じ素材を内壁に使うことで、屋外とのつながりを持たせています。
リビングの一角である、広い土間に設置した薪ストーブは、家全体を温めるのに最適です。雄大な景色を眺めながら暮らせたら、気持ちも穏やかに過ごせそうですね。
5. まとめ
家を新築するときにサンルームを作るかどうか、これから始まる暮らしを想像してみても、判断は難しいものです。
この記事では、サンルームのメリット・デメリットをご紹介しましたが、最も大切にしたいのは「サンルームでどんな時間を過ごしたいか」ということと、そのために「どんな家を建てるか」です。
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